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美容室のクレーム対応マニュアル|よくある原因・基本ステップ・NG対応を解説

美容室を経営する上で、避けられない課題の一つがクレームへの対応です。

技術的なミスや接客態度、料金のトラブルなど、その原因はさまざまで、対応を誤ると口コミや評判に大きな影響を与えることもあります。

今回は、美容室でよくあるクレームの原因から、基本的な対応ステップ、やってはいけないNG対応、そして未然に防ぐためのポイントまで解説します。

美容室に多いクレーム・発生原因

美容室でのクレームの原因美容室で発生するクレームにはいくつかのパターンがあります。どのような原因で発生しやすいのかを把握しておくことで、適切な予防と対応につなげることができます。

技術面のクレーム(カット)

施術内容に対するクレームの中でも特に多いのが、カットに関するものです。

希望より多く切りすぎてしまう、左右で長さが異なる、すき過ぎて毛量が極端に減るといったミスが発生しやすく、一度カットした髪は元に戻らないため、仕上がりに対するお客様の失望感はとりわけ大きくなります。

また、写真のイメージと実際の仕上がりが異なるというケースも多く、カウンセリングやヒアリング不足が主な原因として挙げられます。

施術前に完成形のイメージをしっかりと共有しておくことが、このクレームを防ぐ第一歩です。

技術面のクレーム(カラー・パーマ)

カラーリングでは、お客様の希望と異なる色に仕上がったり、均一なカラーが得られなかったりする場合にクレームが発生します。

色落ちや色ムラは施術翌日以降にクレームとして入ることもあるため、事後フォローも含めた対応が必要です。

パーマについては、望んだカールにならない、または髪質に合わないカールが出た場合にクレームが発生します。

パーマは髪へのダメージが大きいため、傷みによるクレームにもつながりやすい施術です。

技術面のクレーム(施術中の不快感・ダメージ)

施術中の不快感や身体的なトラブルも、クレームの原因となります。

シャワーのお湯が熱すぎた、シャンプー時に顔に水がかかった、カット中にハサミが引っかかって痛かったなど、美容師の配慮不足が原因となるクレームは、お客様の信頼を損ないやすいものです。

また、カラー剤や薬剤が肌にかぶれ・アレルギー反応を引き起こすトラブルが起きた場合もクレームに発展します。

過去の施術でダメージを受けた箇所の有無や、アレルギーの有無を事前のカウンセリングで確認することが重要です。

接客態度・スタッフ対応へのクレーム

技術以外にも、スタッフの接客態度に対するクレームは少なくありません。

スタッフが無愛想だったり、お客様との会話に無関心だったりする場合、気配りや笑顔の欠如がお客様に不快感を与えます。

来店時や帰り際の態度が雑な印象を与えると、再来店しない大きな要因となります。


 「親しみ」と「なれなれしさ」の違いに気を付けた接客が求められます。

また、無理な提案や商品の購入強制は、クレームだけでなく一気に客離れにつながる恐れがあります。

待ち時間・予約に関するクレーム

予約した時間に来店したにもかかわらず待たされるというクレームは、前の施術が長引いた場合などに起きやすいです。

予約内容がスタッフ間で正しく共有されておらず、希望通りの施術が受けられないケースも、クレームに直結します。

待ち時間が発生する場合には、何時までに退店したいか希望時間を確認するなど、誠実な声かけと状況共有がお客様の不満軽減につながります。

料金・費用に関するクレーム

料金に対するクレームとしては、
「高すぎる」
「思っていた金額と違う」
「説明なく追加料金が発生した」
といった内容が挙げられます。

施術中にメニュー追加やランク変更が生じた際に料金を適切に提示できなかった場合、会計時にクレームが発生しやすくなります。


金額の認識違いはお客様側の不満が特に大きく、直接伝えずに利用をやめてしまう「サイレントクレーマー」になる可能性が高い点にも注意が必要です。

施設・設備・持ち物に関するクレーム

シャンプー台やカット席、待合室などが清潔でないとクレームが生じることがあります。

施設・設備の清潔維持はサロンへの信頼感に直結するため、日常的なメンテナンスが欠かせません。

ドライヤーやシャンプー台などの設備が故障していると施術が円滑に行えず、限られた時間で来店しているお客様にとって大きな不満となります。

さらに、預かった手荷物の紛失・破損や、施術中に着用している洋服を薬剤で汚してしまうケースもクレームになりやすいです。

美容室のクレーム対応の基本ステップ

美容室のクレームへの基本ステップクレームが発生した際には、場当たり的な対応ではなく、一定の手順に沿って対応することが大切です。

ここでは、クレームを適切に処理するための基本的なステップを確認していきましょう。

クレーム発生時の初動対応

クレームが発生したら、まず速やかに責任者やオーナーへ報告し、お店側から誠意のあるお詫びをお客様に伝えることが最初の行動です。

店内に他のお客様がいる場合は、可能であれば別室にご案内することが望ましいです。

他のお客様への配慮とともに、しっかり話を聞ける環境を整えることができます。

スタッフだけで対処せず、必ずオーナーも一緒に対応にあたることが、誠意を示す上で重要なポイントです。

お客様の話をしっかりヒアリングする

クレーム対応において最も大切なのは、焦らず冷静に、丁寧にお客様の話を聞くことです。

クレームの内容を最後まで聞いてから真摯な態度で謝罪するようにし、「自分には関係ない」という姿勢を持たないことが求められます。

お客様が話し終えてから初めて原因の確認や謝罪に移ることが、信頼回復への第一歩です。

原因の把握・お客様への解決策の提案

ヒアリングが済んだら、クレームの原因とお客様が何を求めているのかを明確にする段階に移ります。

「お直しを求めているのか」「返金を求めているのか」を確認し、仕上がりに対するクレームであれば基本的にはお直しを提案し、著しく信頼を損ねている場合は返金で対応します。

多くの場合、誠実な謝罪と丁寧な傾聴で解決できるとされており、やり直しが必要な場合はサロンで対応できる範囲のお手直しを提案することが基本です。

対応後のスタッフ間での共有と再発防止

クレームに対応した後は、スタッフ間での情報共有と原因究明を速やかに行いましょう。

「スタッフ間で共有→原因究明→解決策を講じる」という流れで再発を防止することが重要です。

些細なことでもお店の信頼に関わるため、責任者への詳細な報告を徹底することが求められます。

その場限りの対処で終わらせず、同じミスを繰り返さないよう改善に取り組むことも、クレーム対応の一環として欠かせません。

美容室のクレーム対応のNG・注意点

クレームへのNG対応クレームへの対応では、やってしまいがちなNG行動があります。

こうした対応は問題をさらに大きくしてしまう原因となるため、あらかじめ把握しておくことが大切です。

お客様の話を途中でさえぎる・放置する

お客様のクレーム内容はしっかり最後まで聞くことが基本です。

意見を遮るような行動は避け、お客様が話し続けるうちに自然と冷静になっていく可能性があるため、まずは最後まで聞き続ける姿勢が大切です。

クレーム対応を後回しにしたり放置したりすることは厳禁です。

対応に時間を要するほどお客様のストレスは高まるため、迅速な対応開始が求められます。

全面的に謝罪しすぎる・サロンの悪口に同調する

お客様の言葉を全面的に認めて謝罪してしまうと、その後に無理な要望を断りづらくなる問題が生じます。

お客様に感情移入しすぎてサロンへの不満に同調してしまうと、いつまでも怒りが収まらないケースがあります。

推奨されるのは「限定つき謝罪」と呼ばれるアプローチです。

「お客様に嫌な気持ちをさせてしまい、申し訳ございません」といった言い方が、限定つき謝罪の典型的な表現です。

言い訳・反論をする

言い訳は怒りを増幅させる原因となり、クレームをさらに大きくしてしまいます。

クレームを訴えているお客様の本音は「言い訳は聞きたくない」というものであり、こちら側からの状況説明はタイミングと内容を慎重に判断する必要があります。

また、「申し訳ございません」だけを繰り返すのも、かえってお客様に「適当な対応」と受け取られる恐れがあります。

言い訳を避けながらも、「お詫び申し上げます」など謝罪表現のバリエーションを増やすことで、誠意が伝わる対応ができます。

その場での口約束・勝手な判断をする

お客様の衣服を汚してしまった場合など、その場で担当者が勝手な口約束をするのは危険です。

「弁償する」と約束したものの入手不可能な商品では弁償できないケースもあるため、担当者の独断での約束は厳禁です。

身体的・物品的な損傷が生じた場合は、担当者はすみやかに責任者(オーナー・店長)へ報告し、以降の対応は責任者が一括して引き継ぐことがトラブル防止に直結します。

クレームをスタッフ間で共有しない

クレームが起きたらスタッフ全員で共有することで、再発を防ぐことができます。

スタッフに「クレームは恥ずかしいこと」と思わせてしまうと、店長への報告が遅れたり、クレームを悪化させたりする原因となります。

美容室予約サイトなどのネガティブな口コミを読むことで自サロンの改善ポイントが見えてくることもあります。

些細なクレームでも対応を誤ればいつまでも問題が尾を引き、担当した美容師が離職してしまう事態につながることもあります。

美容室のクレームを未然に防ぐポイント

クレームは発生してから対応するよりも、未然に防ぐための取り組みを日頃から続けることが大切です。

ここでは、サロン運営で実践したい5つの予防ポイントをご紹介します。

事前カウンセリングを丁寧に行う

技術に対するクレームを防ぐには、施術前のカウンセリングでイメージをしっかり共有することがポイントです。

ヘアカタログを見ながら完成形をイメージし、お客様とのズレを事前に解消することが、クレーム防止の基本となります。

 カラーやパーマによるダメージなど施術のマイナス面も正直に伝え、色落ちや毛先のハネなど起こりうるリスクを説明することが、クレーム防止につながります。

料金・メニュー内容を事前に明確に伝える

実際の料金が予約時と異なる場合や指名料が発生する場合は、カウンセリングの段階で明確に伝えておくことが必要です。

ホームページでアナウンスしてある場合でも、口頭で再度説明することでお客様の安心感につながります。


施術中にシャンプーやトリートメントなどのオプションを勧める場合は、料金や内容を伝えてから承諾を得ることが大切です。

料金は口頭だけでなく、メニュー表や料金一覧を見せながら説明することが求められます。

丁寧な接客と待ち時間への配慮を徹底する

接客クレームの予防には、丁寧な挨拶と一貫した対応が効果的です。

常連のお客様でも客と美容師の関係性を忘れず、プライベートな話題やなれなれしい口調での話しかけは避けることが必要です。

繁忙期など、待ち時間発生の可能性がある場合は必ず一声かけて現状を伝え、仕上げてほしい時間を確認しておくことが、お客様の不安軽減につながります。

電話対応からお見送りまでのすべての接点でクオリティを保つことが、クレーム防止に直結します。

お客様の物品管理と施術時の安全に気を配る

カラーやパーマの薬剤が衣類に付着することを防ぐには、丁寧な施術と事前の養生が重要です。

「貴重品は自己管理」「ロッカーの鍵は自分で管理」などの案内を徹底することで、荷物の紛失・破損リスクを軽減できます。


お客様の物品に汚れや破損があった場合は損害保険によりカバーすることになるため、美容所賠償責任補償制度への加入により損害リスクを軽減しておくことが大切です。

クレーム対応マニュアルを整備する・スタッフ教育

クレームの発生を抑えるためには、対応マニュアルをあらかじめ用意しておくことが有効です。

マニュアルに沿って適切に行動することで、スタッフ全員がトラブルへの対応基準を共有でき、個人差による対応ミスを防ぐことができます。

技術面が追いついていない場合はスキルアップのための勉強会を行うことが効果的です。

特に新人スタッフが施術する際はベテランや先輩によるフォローが必要です。

また、人手不足によりサロンワークが滞り、ヒューマンエラーが生じている場合は、人材確保への取り組みも重要な課題です。

まとめ

美容室でのクレームは、技術面や接客態度、料金のトラブルなどさまざまな原因から発生します。

クレームが起きた際には、速やかな初動対応とお客様の話をしっかりと聞くことが信頼回復の基本です。

全面謝罪や言い訳、担当者の独断による口約束といったNG対応は、問題をさらに大きくしてしまうため避けることが大切です。

また、クレームを未然に防ぐためには、事前カウンセリングの充実・料金の透明な説明・丁寧な接客・マニュアルの整備といった日常的な取り組みが重要です。

施術品質の安定には、スタッフ教育・マニュアルの整備と並行して、信頼できる業務用材料の継続的な調達も欠かせません。

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