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美容室の開業に必要な広さ・坪数は?保健所の基準、成功する物件選びのポイントまで解説

美容室を開業しようとする際、「どのくらいの広さがあれば開業できるのか」「保健所の基準を満たせるか」といった不安を抱える方は少なくありません。

実際に、美容室の開業には保健所が定める作業室の最低面積基準があり、これをクリアしなければ美容所としての営業許可を得られません。

また、坪数によって設置できるセット面やシャンプー台の台数が変わるため、開業規模に合わせた物件選びも重要になります。

 今回は、美容室開業に必要な広さの基準や坪数別のレイアウト例、物件選びで確認すべきポイントについて解説します。

美容室開業に必要な広さの基準


美容室を開業する際にまず押さえておきたいのが、作業室の床面積の基準です。

ここでは、実際に店舗として機能させるために必要な広さについて紹介します。

作業室の床面積の基準

美容所の作業室に関する基準は、美容師法第13条第4号に基づき、都道府県および保健所設置市ごとに条例で定められています。

例えば、東京都の場合、作業室の床面積が13㎡(内法/うちのり)以上であることが営業許可の要件とされており、スタッフの人数や開業規模に関わらず適用される最低基準です。

ここでいう「内法」とは、壁の内側から内側までの実際に利用できる床面積を指します。

施術台やシャンプー台、待合スペースなど、実際に業務で使用するエリアのみが計測の対象となります。

なお、東京都では、美容いすは作業室面積が13㎡の場合に6台まで設置可能とされており、6台を超えて設置する場合は1台増やすごとに3㎡を加えた面積以上が求められます。

 この基準は自治体によって異なるため、開業前に管轄の保健所への確認が欠かせません。

物件全体では最低7坪が好ましい

作業スペースとして13㎡を確保できていたとしても、そこからスタッフルームやトイレ、待合スペースを除いてしまうと、店舗として実質的に機能しなくなるケースがあります。

美容室を開業する物件全体としては、最低でも7坪以上を確保するのが好ましい
とされています。

ただし、待合スペースや受付部分の扱いは保健所によって異なる場合があるため、物件を決める前に管轄の保健所へ具体的な間取りを相談しておくと安心です。

一人開業なら10~15坪前後が一般的

一人で美容室を開業する場合は、10~15坪前後の広さが一般的とされています。

一方で、2~3名のスタッフとともに開業する場合には、20~30坪規模で始めるケースも少なくありません。

 開業時のスタッフ数や増員計画も踏まえて、坪数を検討することが大切です。

美容室の広さ(坪数)別のレイアウト・設備例


ここからは、坪数ごとに実現しやすいレイアウトや設備の例を紹介します。物件選びや店舗設計の目安として参考にしてください。

~7坪(最小規模・一人プライベートサロン)

7坪(約23.1㎡)の物件では、セット面2席・シャンプー台1台を配置した、一人で運営する小規模サロンが一般的です。

限られた空間を広く見せるには、壁ではなく低めのパーティションで空間を緩やかに仕切る方法が有効です。

視線が抜けることで、実際の広さ以上に開放感を演出できます。

~10坪(一人サロン・小規模2名対応)

10坪程度の物件では、セット面2~3席・シャンプー台1~2台が標準的な構成として挙げられます。

壁面に大きな鏡を設置したり、脚部の細いスリムな椅子を採用したりすることで、空間をより広く見せる効果が期待できます。

完全個室の設置は難しいものの、カーテンやパーティションを活用すれば、半個室のような空間を作ることは可能です。

~15坪(1名スタッフ・中規模サロン)

15坪程度になると、セット面4席・シャンプー台2台を配置しても比較的ゆとりのあるレイアウトが可能です。

工夫次第では待合スペースも確保できます。

 また、スタッフルームや消毒室をコンパクトにまとめれば、セット面5~6席・シャンプー台3台まで設置できるケースもあります。

15坪は、スタッフを1名雇用しながらも、ゆとりのある上質なプライベート空間を実現しやすい広さと言えます。

壁を最低限に抑えてレセプションをカウンター形式にしたり、天井をスケルトン仕上げにして高さを演出したりすることで、より開放感のある空間を作れます。

~20坪(3~4名スタッフ・標準規模サロン)

16~20坪になると、マツエクやネイルなど、カット・カラー以外の施術スペースを設けることも可能です。

20坪程度であれば、セット面6席・シャンプー台3台・中待ち3席を配置しても、消毒室やバックルームにゆとりを持たせやすくなります。

レセプションを店内中央に配置して全体を見渡せるレイアウトにし、各スペースの仕切りをカーテンやパーティションにすることで、余裕のある空間を演出できます。

21坪以上(多スタッフ・大型・複合サロン)

21~25坪の規模になると、広めのバックルームや独立したスタッフルームを設けられるほか、マツエクやネイルなどの専用スペースを追加した複合型サロンにも対応できます。

開放感を重視したレイアウトであれば、22坪程度でセット面6~7席・シャンプー台3台を配置できるケースがあります。

ただし、設備を詰め込みすぎると店内の見通しが悪くなるため、設備数と空間のバランスを考慮して設計することが重要です。

美容室の物件を選ぶときの「広さ」のチェックポイント


実際に物件を選ぶ際には、坪数の数字だけでなく、いくつかの確認ポイントを押さえておくことがトラブル回避につながります。

ここでは、物件選びの際に注意したい3つのポイントを紹介します。

物件を探す前に管轄保健所で面積基準を確認する

物件探しを始める前に、開業予定地を管轄する保健所へ出向き、美容所登録に必要な最低面積の数値を確認しておくことが欠かせません。

基準値は自治体の条例によって異なるため、インターネット上の情報だけで判断せず、必ず管轄保健所へ確認しましょう。

また、希望するセット台数や席数によっては、最低面積の基準を満たしていても開業要件を満たさない場合があります。

物件探しの段階から、必要な席数も含めて保健所に相談しておく
ことが望ましいでしょう。

不動産広告の面積表記を確認する

不動産の面積の測り方には、「壁芯(かべしん)」と「内法(うちのり)」という2種類の基準が存在します。

美容所登録に必要な最低面積の要件は、壁から壁までの実際の距離で算出した内法面積を指しているため注意が必要です。

多くの不動産広告では壁の芯から芯までの距離で算出した面積が表記されており、内法面積と比べると実際よりも少し大きめに表現される傾向があります。

ギリギリの広さで物件を探している場合、表記上の面積では基準を満たしていても、内法面積では基準を下回ってしまうケースが生じかねません。

万が一内法面積が不足する場合には、バックルームなど不要な区画の壁を取り払って作業室面積に組み入れられないか、あるいは道路側の壁を撤去して店舗部分を拡張できないかを物件オーナーに確認してみる方法もあります。

物件の形状(間口・奥行き・柱位置)を確認する

物件の形状によって、同じ坪数であっても収容できるセット面の数は大きく変わります。

作業スペースと通路の確保方法や、対面配置にするか壁付け配置にするかによっても、必要となる有効面積は大きく異なるためです。

 特に柱・梁・水回り設備の位置は移動が難しく、セット面やシャンプー台の配置制約に直接影響するため、内見の際には実測を行い、平面図上でレイアウトを検討することが重要です。

 また、近年は半個室や完全個室型のセット面を設ける美容室が増えており、その場合は通常の開放型よりも物件面積にゆとりが必要になるため、自店のコンセプトに合わせた坪数基準で物件を選ぶ必要があります。

まとめ

美容室の開業では、保健所が定める最低面積の基準を満たすことが大前提であり、そのうえでスタッフ数や施術内容に合った坪数を選ぶことが、店舗運営の効率と快適さを左右します。

不動産広告の面積表記や物件の形状など、見落としがちなポイントも事前に確認しておくことが重要です。

開業準備の早い段階から管轄の保健所に相談しながら、自店のコンセプトに合った物件選びを進めていきましょう。

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