美容所の登録条件は?メリットから開設届出の流れまで徹底解説
美容室やネイルサロンなど、美容の業を行う施設を開設する際には、美容師法に基づく正式な届出が必要です。
登録条件を事前に把握しておかないと、施設完成後に再工事が必要になるケースもあります。
今回は、美容所の登録に必要な条件や手続きの流れについて解説します。
美容師法第1条は
「美容師の資格を定めるとともに、美容の業務が適正に行われるように規律し、もって公衆衛生の向上に資することを目的とする」
と定めており、美容所の開業においては保健所への正式な届出が義務付けられています。
「美容所」とは美容の業を行うために設けられた施設のことで、パーマ・結髪・化粧だけでなく、染毛やまつ毛エクステンションも美容行為に含まれます。
また、美容師でなければ美容を業として行うことはできず、「業とする」とは反復継続の意思をもって行うことであり、有料・無料を問いません。
補助金は融資と異なり返済不要であるため、開業・設備投資コストの圧縮につながる大きなメリットです。
補助金を活用する前提として、各制度にはそれぞれ対象要件や申請時期が定められているため、開業前から制度の対象要件を確認しておくことが重要です。
美容所の登録条件は、
それぞれ詳しく見ていきましょう。
例えば、東京都の場合、1作業室の床面積は13平方メートル以上とし、いすは6台までとされています。いすを1台増やすごとに、床面積を13平方メートルずつ加える必要があります。
床はコンクリート・タイル・リノリウム・板等の不浸透性材料を使用し、清掃しやすい構造とすることが求められます。
洗髪器とは別に器具類等の洗い場(流水装置)を設置し、消毒済みと未消毒の器具を区別する収納箱等を備えることも必要です。
採光・照明については作業面の照度100ルクス以上を確保し、炭酸ガス濃度を0.5%以下に保つことが義務付けられています。
消毒済物品容器・未消毒物品容器・ふた付き汚物箱および毛髪箱を備えることも要件の一つです。
また、美容師である従業者が常時2人以上いる美容所には「管理美容師」の設置が義務付けられています(美容師法第12条の3)。
管理美容師の資格保持者がいる場合は、講習会修了証の提出が必要です。
なお、管理美容師は同一人物が複数の美容所に登録することはできないため、店舗ごとに管理美容師を設ける必要があります。
開設時は1名体制であっても、将来的に雇用する可能性がある場合は、自身が管理美容師資格を取得しておくことをおすすめします。
関連記事:管理美容師とは?職務、資格の取得要件・流れを徹底解説!
美容師免許が不要な施術のみを提供する場合には、美容所登録は必要ありません。
ドライヘッドスパや光脱毛、エステなどは美容師法の対象外となるため、登録なしで営業が可能です。
フェイシャルエステについては、「簡単なマッサージ・肌の汚れ落とし程度」であれば美容師法の範囲に該当しませんが、フェイシャルエステの施術内容によっては、美容師法に抵触する可能性があるため、事前に管轄の保健所へ確認することが必要です。
レーザー脱毛やニードル脱毛は医療行為のため、別途許可が必要となります。
まつ毛エクステは美容師資格を必要とする施術であり、保健所への届出が求められます。
美容所の開設者は必ずしも美容師でなくても良いですが、開設者自身が施術を行う場合は美容師免許が必要です。
施術者と開設者を分けるケースも少なくないため、自身のスタイルに合わせて確認しておきましょう。
必要書類は自治体によって異なるため、事前に管轄保健所へ確認しておくことを推奨します。
主に必要となる書類は以下の通りです。
書類の種類や手数料は自治体により異なるため、実際の開設にあたっては必ず管轄保健所の最新の手引・案内をご確認ください。
事前に流れを把握しておくことで、スムーズな手続きが実現します。
構造設備等が法律や条例に基づく基準に適合しているかを確認するため、施設の平面図などを持参のうえ事前に相談することが重要です。
施設基準に適合しない場合は再工事が必要となるケースがあるため、工事前の相談が欠かせません。
提出は、自治体によって異なりますが、営業開始希望日の10日~14日前に出すことが推奨されます。
提出書類には「理・美容所開設届」「構造設備の概要」などがあり、自治体によっては開設届と検査申請書が一体化した書式が用いられています。
従事者の資格確認のため、免許証等の原本の提示が求められます。
提出のタイミングで検査日時を調整する自治体もあるため、余裕をもって準備を進めておきましょう。
検査日は保健所と事前に調整しましょう。
現地調査(立入検査)当日には、設備も含め施設が完成し、すぐに営業可能な状態にしておく必要があります。
検査では、図面通りの構造か・消毒設備が整っているかなど、構造設備基準への適合が確認されます。
事前に設備の最終チェックを行い、万全の状態で検査に臨みましょう。
確認証交付前の営業は認められていません。
確認証は施設の適法な営業を示す書類であり、交付後も大切に保管する必要があります。
美容所を廃止する際には、この確認証を添付して届け出ます。
登録後の義務についても事前に把握しておきましょう。
美容所の開設者に対しても美容師法第13条で、消毒設備を設けること・常に清潔に保つことなどが義務付けられており、器具の消毒は法的義務として位置づけられています。
都道府県条例では、作業中は清潔な作業衣を着用すること、紙製品を代用する場合は客1人ごとに廃棄すること、医薬部外品・化粧品は安全衛生に留意し適正に使用することなど、詳細な衛生措置が定められています。
具体的には、①沸騰後2分間以上の煮沸、②エタノール水溶液(76.9~81.4%)中に10分間以上浸漬、③次亜塩素酸ナトリウム水溶液中に10分間以上浸漬(血液付着器具には0.1%、未付着器具には0.01%~0.1%)のいずれかを実施する必要があります。
室内の二酸化炭素濃度を5,000ppm以下に維持できる換気設備が必要であり、検査では換気扇の設置・正常作動・定期清掃も確認対象となります。
消毒後の器具は衛生的に保管する収納容器(消毒済み・未消毒の区別)が必要で、抜き打ち検査ではハケ・ロット・シザーなどの消毒が適正に実施されているか確認されます。
保健所による立入検査(美容師法第14条第1項)を拒否・妨害した場合は、30万円以下の罰金が科せられる可能性があります(美容師法第18条第4号)。
都道府県知事は、管理美容師の設置違反または衛生措置違反が認められた場合、もしくは無資格者に美容の業を行わせたときは、期間を定めて当該美容所の閉鎖を命ずることができます。
施設の計画段階から保健所に相談し、工事前に基準を確認しておくことで、スムーズな登録手続きが実現します。
登録後も美容師法に基づく衛生管理と立入検査への対応が継続して求められます。
補助金制度を上手に活用しながら、法律に則った適正な営業を継続することが美容所経営の安定につながります。
開業を検討している方は、まず管轄保健所に確認を取り、余裕をもって準備を進めていきましょう。
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登録条件を事前に把握しておかないと、施設完成後に再工事が必要になるケースもあります。
今回は、美容所の登録に必要な条件や手続きの流れについて解説します。
美容所の登録とは?

美容師法第1条は
「美容師の資格を定めるとともに、美容の業務が適正に行われるように規律し、もって公衆衛生の向上に資することを目的とする」
と定めており、美容所の開業においては保健所への正式な届出が義務付けられています。
「美容所」とは美容の業を行うために設けられた施設のことで、パーマ・結髪・化粧だけでなく、染毛やまつ毛エクステンションも美容行為に含まれます。
また、美容師でなければ美容を業として行うことはできず、「業とする」とは反復継続の意思をもって行うことであり、有料・無料を問いません。
美容所に登録するメリット
美容所として登録・営業している事業者は、小規模事業者持続化補助金(内装工事・広告費・IT導入など)やキャリアアップ助成金など、各種補助金・助成金制度の申請対象になります。補助金は融資と異なり返済不要であるため、開業・設備投資コストの圧縮につながる大きなメリットです。
補助金を活用する前提として、各制度にはそれぞれ対象要件や申請時期が定められているため、開業前から制度の対象要件を確認しておくことが重要です。
美容所の登録条件

美容所の登録条件は、
- 施設の構造設備基準を満たすこと
- 必要な資格・書類を提出すること
それぞれ詳しく見ていきましょう。
構造設備基準を満たしていること
作業場の床面積や設備の基準は、美容師法に基づき都道府県・保健所設置市ごとに条例で定められています。例えば、東京都の場合、1作業室の床面積は13平方メートル以上とし、いすは6台までとされています。いすを1台増やすごとに、床面積を13平方メートルずつ加える必要があります。
床はコンクリート・タイル・リノリウム・板等の不浸透性材料を使用し、清掃しやすい構造とすることが求められます。
洗髪器とは別に器具類等の洗い場(流水装置)を設置し、消毒済みと未消毒の器具を区別する収納箱等を備えることも必要です。
採光・照明については作業面の照度100ルクス以上を確保し、炭酸ガス濃度を0.5%以下に保つことが義務付けられています。
消毒済物品容器・未消毒物品容器・ふた付き汚物箱および毛髪箱を備えることも要件の一つです。
従業員の免許・管理美容師の講習修了証等を提出すること
開設届の提出には、従事する美容師全員の美容師免許証の写しが必要です。また、美容師である従業者が常時2人以上いる美容所には「管理美容師」の設置が義務付けられています(美容師法第12条の3)。
管理美容師の資格保持者がいる場合は、講習会修了証の提出が必要です。
なお、管理美容師は同一人物が複数の美容所に登録することはできないため、店舗ごとに管理美容師を設ける必要があります。
開設時は1名体制であっても、将来的に雇用する可能性がある場合は、自身が管理美容師資格を取得しておくことをおすすめします。
関連記事:管理美容師とは?職務、資格の取得要件・流れを徹底解説!
美容所登録が不要なケース

美容師免許が不要な施術のみを提供する場合には、美容所登録は必要ありません。
ドライヘッドスパや光脱毛、エステなどは美容師法の対象外となるため、登録なしで営業が可能です。
フェイシャルエステについては、「簡単なマッサージ・肌の汚れ落とし程度」であれば美容師法の範囲に該当しませんが、フェイシャルエステの施術内容によっては、美容師法に抵触する可能性があるため、事前に管轄の保健所へ確認することが必要です。
レーザー脱毛やニードル脱毛は医療行為のため、別途許可が必要となります。
まつ毛エクステは美容師資格を必要とする施術であり、保健所への届出が求められます。
美容所の開設者は必ずしも美容師でなくても良いですが、開設者自身が施術を行う場合は美容師免許が必要です。
施術者と開設者を分けるケースも少なくないため、自身のスタイルに合わせて確認しておきましょう。
美容所登録に必要な書類
美容所登録の際には、複数の書類を用意して管轄保健所へ提出します。必要書類は自治体によって異なるため、事前に管轄保健所へ確認しておくことを推奨します。
主に必要となる書類は以下の通りです。
- 理(美)容所の構造および設備を明らかにした図面(各設備の寸法・位置を記載)・付近の略図
- 理(美)容師免許証(原本)
- 結核・皮膚疾患その他伝染性疾患の有無に関する医師の診断書(発行後3か月以内)
- 美容師が2名以上従事する場合は管理美容師講習会修了証(原本)
- 法人の場合は定款または寄附行為の写し、もしくは登記事項証明書(自治体により異なる)
書類の種類や手数料は自治体により異なるため、実際の開設にあたっては必ず管轄保健所の最新の手引・案内をご確認ください。
美容所登録(開設届出)の流れ
美容所の登録には、保健所への届出から施設検査・確認証の交付まで、複数のステップを踏む必要があります。事前に流れを把握しておくことで、スムーズな手続きが実現します。
ステップ1|事前相談
施設の計画段階・建物の着工前に、施設の構造設備を明らかにする図面などを持参して保健所へ相談することが推奨されています。構造設備等が法律や条例に基づく基準に適合しているかを確認するため、施設の平面図などを持参のうえ事前に相談することが重要です。
施設基準に適合しない場合は再工事が必要となるケースがあるため、工事前の相談が欠かせません。
ステップ2|開設届の提出(申請)
必要書類等をそろえて、管轄保健所に開設届を提出します。提出は、自治体によって異なりますが、営業開始希望日の10日~14日前に出すことが推奨されます。
提出書類には「理・美容所開設届」「構造設備の概要」などがあり、自治体によっては開設届と検査申請書が一体化した書式が用いられています。
従事者の資格確認のため、免許証等の原本の提示が求められます。
提出のタイミングで検査日時を調整する自治体もあるため、余裕をもって準備を進めておきましょう。
ステップ3|施設の検査(使用前検査・立入検査)
保健所の職員が現地で、設備や衛生状態などの検査を行います。検査日は保健所と事前に調整しましょう。
現地調査(立入検査)当日には、設備も含め施設が完成し、すぐに営業可能な状態にしておく必要があります。
検査では、図面通りの構造か・消毒設備が整っているかなど、構造設備基準への適合が確認されます。
事前に設備の最終チェックを行い、万全の状態で検査に臨みましょう。
ステップ4|確認証の交付・営業開始
保健所長の確認を受けることで施設を開設でき、確認証(確認書)が交付されます。確認証交付前の営業は認められていません。
確認証は施設の適法な営業を示す書類であり、交付後も大切に保管する必要があります。
美容所を廃止する際には、この確認証を添付して届け出ます。
【美容師法の定め】美容所登録後も必要な衛生管理・定期検査
美容所を開設した後も、美容師法に基づく衛生管理と定期的な検査対応が継続的に義務付けられています。登録後の義務についても事前に把握しておきましょう。
美容師法が義務付ける日常的な衛生措置を実施する
美容師法第8条では、- 皮膚に接する布片および器具を清潔に保つこと
- 皮膚に接する布片を客一人ごとに取り替え器具を客一人ごとに消毒すること
美容所の開設者に対しても美容師法第13条で、消毒設備を設けること・常に清潔に保つことなどが義務付けられており、器具の消毒は法的義務として位置づけられています。
都道府県条例では、作業中は清潔な作業衣を着用すること、紙製品を代用する場合は客1人ごとに廃棄すること、医薬部外品・化粧品は安全衛生に留意し適正に使用することなど、詳細な衛生措置が定められています。
器具の消毒に関する法定基準を守る
皮膚に接する器具の消毒は、十分に洗浄した後、法定の方法で実施しなければなりません。具体的には、①沸騰後2分間以上の煮沸、②エタノール水溶液(76.9~81.4%)中に10分間以上浸漬、③次亜塩素酸ナトリウム水溶液中に10分間以上浸漬(血液付着器具には0.1%、未付着器具には0.01%~0.1%)のいずれかを実施する必要があります。
室内の二酸化炭素濃度を5,000ppm以下に維持できる換気設備が必要であり、検査では換気扇の設置・正常作動・定期清掃も確認対象となります。
消毒後の器具は衛生的に保管する収納容器(消毒済み・未消毒の区別)が必要で、抜き打ち検査ではハケ・ロット・シザーなどの消毒が適正に実施されているか確認されます。
立入検査への対応義務を果たす
保健所による抜き打ち立入検査は開業時だけでなく、営業中にも実施されます。保健所による立入検査(美容師法第14条第1項)を拒否・妨害した場合は、30万円以下の罰金が科せられる可能性があります(美容師法第18条第4号)。
都道府県知事は、管理美容師の設置違反または衛生措置違反が認められた場合、もしくは無資格者に美容の業を行わせたときは、期間を定めて当該美容所の閉鎖を命ずることができます。
まとめ
美容所の登録には、構造設備基準の充足と必要書類の提出という2つの条件をクリアする必要があります。施設の計画段階から保健所に相談し、工事前に基準を確認しておくことで、スムーズな登録手続きが実現します。
登録後も美容師法に基づく衛生管理と立入検査への対応が継続して求められます。
補助金制度を上手に活用しながら、法律に則った適正な営業を継続することが美容所経営の安定につながります。
開業を検討している方は、まず管轄保健所に確認を取り、余裕をもって準備を進めていきましょう。
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